government ICO 2017 9 18 Respect-for-Senior-Citizens Day
「エストニア政府が暗号通貨(仮想通貨)を発行する理由」
2017年9月18日の「現代ビジネス」では、高橋洋一氏が興味深いことを書いています。
エストニアは「エストコイン」(estcoin)という仮想通貨を発行し、
集めた資金をデジタル国家の建設のために使うという。
これはICO(Initial Coin Offering)といわれるもので、
仮想通貨を使った資金調達である。
株式の代わりに仮想通貨を発行するのだが、発行元は国であるので、
政府通貨の発行によって、
通貨発行益(発行額から必要経費を控除したもの)を財政支出に使うのと、
基本的には同じである。
もっとも、エストニアに限らず、
国の場合は仮想通貨を使わなくても、本物の通貨を発行できる。
ユーロ諸国の場合、紙幣は欧州中央銀行が発行し、少額コインは各国が発行している。
ただし、紙幣の通貨発行益は欧州中央銀行に帰属する。
このため、紙幣による通貨発行益が直接、各国財政を潤すわけでない。
しかも、通貨発行益は、ほとんど紙幣からもたらされる。
各国が少額コインの発行による通貨発行益をさらに大きくするためにも、
仮想通貨を発行したほうが合理的なのだ。
つまり、筆者は、エストニアが仮想通貨を発行したのは、
少額コインを発行するより大きな発行益を受け取るためだろうと思っている。
このように、政府が発行益を受け取るために仮想通貨を発行するということは、
今後、他の国でも起こりうることだと考えられるのだ。
「日本政府もやればいいのに」
政府による仮想通貨については、日本では、まだ誰も発言していない。
おそらく官僚の目には、まだ、その可能性が眼に入っていないのだろう。
日本政府が上手く立ち振る舞い、独自の仮想通貨を発行すれば、
民間に対しては適度な規制が利くうえ、
通貨発行益を獲得できるという美味しいポジションを手に入れることができるのだが、
何しろ、こうした新しい技術に疎いのが、我が国の官僚である。
(引用、以上)
なるほど、そういう方法があるのですね。
エストニア政府の意図には、気が付かなったです。
私には、「暗号通貨は、民間主導で、政府にも中央銀行にも依存しない」という固定観念がありました。